入浴は身体の清潔保持だけでなく、疲労回復や心身のリラックスにも効果があります。
しかし、冬場の入浴には注意が必要です。入浴時の事故の大半が冬季で、1月が最も多く、次いで12月が多いのです。これは入浴前後での寒暖の差によって、血圧の変動を来し、血管や心臓に過度の負担がかかり、不整脈や一時的な脳溢血が起きて意識障害につながる恐れがあります。高血圧や心臓病などの持病を持たない人でも注意が必要です。
●事故を防ぐにはどうするか。
○入浴前に脱衣所を温めたり、浴槽のふたをとって、浴室内を湯気で温めておく。
○特に、高齢者の入浴時は周囲(家族など)の気配りが必要。ときどき声をかける。
○入浴前後の水分補給。
○入浴は夕食前がいい。飲食直後は避ける。
○長湯しない。お湯の温度は40℃前後。熱い湯に長く浸かっていると、体温が上昇し、熱中症の状態になり、意識を失って溺れてしまう危険もあります。
大戸診療所 理事長 髙栁孝行