特定健診のすすめ 髙栁 孝行医師
健康診断(健診)の目的の一つは身体の異常を早期に見つけ、治療など早期対応で重症化を防ぐためです。生活習慣病の多くは進行するまで自覚症状がないため早期発見するには健診が最も有効な方法です。もう一つは健診の結果を生活習慣の改善に活かすことで病気の発症を予防し、健康状態を保つことです。
毎年行われる特定健診はメタボリックシンドローム(メタボ)のスクリーニングとして行われてきました。内臓の周りに脂肪がつく内臓脂肪型肥満に加えて高血圧、高血糖、脂質異常などのうち2項目以上が該当するとメタボと判定されます。内臓脂肪型肥満かどうかは腹囲(臍の高さの腹回り)から判定します。基準値は男性85cm未満、女性90㎝未満とされますが、これでは病気のリスクが見逃されるのではと、男性83cm未満、女性77cm未満という基準案を提唱している研究者もいます。
肥満度はBMI(肥満指数)で評価します。
計算式は体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で18.5以上、25.0未満が標準です。
肥満は様々な生活習慣病の元凶となります。高血圧症、動脈硬化症、脂肪肝、脂質異常症、糖尿業、高尿酸血症などなど。
内臓脂肪は「つきやすく減らしやすい肪」といわれています。BMIをチェックして標準をオーバーする場合は食生活の改善、身体活動の増加などで病気予防に心掛けて下さい。