5月31日はWHO世界禁煙デーです。日本人の喫煙率は男性で10年前の46.9%から30.3%、女性で13.2%から9.8%と改善してきていますが、国際的にみればまだ「禁煙後進国」といわれています。喫煙による被害は本人だけのことではなく、今問題になっているのは「受動喫煙」(他人が吸うタバコの煙を吸わされること)。タバコの先から出る副流煙は有害物質を含み、健康被害をもたらします。 特に妊娠時は勿論ですが、”乳幼児の周りでの喫煙は虐待”だとさえいわれます。 最近は「3次喫煙」といって壁やカーテン、喫煙者の衣服などからのタバコ臭。この揮発成分にも有害物質が含まれています。 喫煙は本人にとっても喫煙関連疾患の予防だけでなく、健康寿命を伸ばす大前提でもあります。喫煙者と非喫煙者では平均寿命の差は約10年にも。タバコ1本吸うと寿命が11分短くなるという報告もあります。1ヵ月で4~5日。1年で一ヵ月以上寿命を縮めることになります。40歳前後までに禁煙すると平均寿命をとりもどせるといいます。何歳であっても禁煙の効果はあるので、一日でも早い禁煙をおすすめします。
大戸診療所 髙栁孝行