MCI(軽度認知症)について 髙栁 孝行医師
9月は「認知症月間」です。認知症について関心と理解を深めるために認知症基本法が制定されました。
最近、MⅭI(軽度認知症)という言葉を耳にしませんか。 MⅭIは「健康な状態」と「認知症」の中間的状態で年齢相応の認知機能の低下は認めるものの日常生活に支障をきたすほどのことはない状態です。ただ注意力や判断力が少し低下するためにいろいろな不都合が見られます。
次のようなことで思いつくことがありませんか。
□ 同じことを繰り返し言ったり、尋ねたりする
□ 探し物が多い
□ 料理に手間取るようになった
□ 冷蔵庫にあるのに同じものを買ってくる
□ 何かと「面倒くさい」とやめてしまう
□ 長年の趣味が楽しめなくなった
□ 外出の機会が減った
□ 約束事を忘れる
□ 今日の日付が言えない など。
この様な状態を放置すると半数の人が4年
程で認知症に進むといわれています。MⅭIの段階で何らかの手当をすることが必要です。
適切な対応をすることで進行を遅らせたり認知機能の改善が期待できます。
生活習慣病といわれる糖尿病や高血圧・高脂血症は認知症のリスクを高めるため予防・治療が必要です。その上でバランスの取れた食事・運動、人とのコミュニケーションにも心掛けて下さい。孤独は脳にとって大敵だといわれます。友達・仲間と一緒におしゃべりしたり、音楽や絵画など脳トレを通して認知力アップをやしなうことが認知症予防につながります。